<p>M-1の日に、「紳竜の研究」を見た</p> <p>彼がデビュー前から漫才コンビを解散するまで一貫して取り続けた戦略というものは、シンプルかつ強力で、</p> <p> * 自分の強み(X)を徹底的に探す。<br/> o 自分がおもしろいと思うものをいくつか探す。紳助の場合、それはB&amp;Bの島田洋七だったらしい。そこで彼は洋七と同じ師匠について、洋七がおもしろいメカニズムを分析して、パクった。ただ単純にパクるだけでは、圧倒的にネタが面白いB&amp;Bには勝てないのだから、洋七にはない「本人のおもしろさ」を前面に出して勝負しようと決意。この分析から、「弱い不良」というキャラを演じることになる。</p> <p> * 世の中の笑いの流れ(Y)を分析する。<br/> o 自分がおもしろいと思う芸人の話を隠し撮りし、紙に書き写して分析した。その結果、当時、漫才の名人と言われていた人は1分間に20個の間をとっていることがわかった。これは高度な漫才技術なのだが、どうせ客にはこの高度さはわからない。「下手でもおもろかったらええ」わけなのだから、間の数を10個以下に減らして、スベるリスクを減らす戦略をとった。</p> <p> * ターゲットを選定する。<br/> o 「万人に受ける笑い」こそが優れた笑いであるとされた時代において、ターゲットを狭く絞って、その代わりその層から強く支持されるポジションを取ることを選ぶ。そして、「20~35歳の男」という自分たちを歳の近い世代をメインターゲットにすることに決めた。<br/> o 今でも&quot;お笑い好き&quot;を自称する若い女性は多く、この層は「簡単にキャーキャー盛り上がってくれてくれるありがたい存在。」<br/> o しかし、笑いをわかっていない彼女たちを安直に笑わせにいった瞬間に、コアターゲットである「20~35歳の男」の心を逃してしまうので、「若い女のファンは俺たちをダメにする」として警戒していた。「客席にいる女のためじゃなく、茶の間に座っている若い男に向けて漫才をしていた。」らしい</p> <p> * 勝てないフィールドでは勝負をしない。<br/> o いつでも全力投球ではなくて、勝てない現場には行かなかったり、ターゲットではない客層には手を抜いたりした。<br/> o 若い男性がターゲットなので、自分たちが若くなくなったら潮時だと初めから考えていた。<br/> o 結局、コンビ結成から8年後、まだ無名だったダウンタウンの漫才に新しいお笑いの潮流(Y)を感じ取って、「今のままいったら、いつか必ず負ける。だったら負ける前に辞めよう」と決意して解散した。</p> <p>という4つ。もうこれはお笑いに限らず、どんなフィールドでも有効な作戦だろう。</p>
— <a href="http://d.hatena.ne.jp/hajimenator/20071223#p1" target="_blank">2007-12-23 - はじめダイアリー</a> (via <a href="http://no-where--now-here.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">no-where–now-here</a>, <a href="http://samidare-deactivated20121028.tumblr.com/post/22254824/m-1%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AB%E7%B4%B3%E7%AB%9C%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%9F" class="tumblr_blog" target="_blank">samidare-deactivated20121028</a>) (via <a href="http://gkojay.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">gkojay</a>)