<p>キースのギター講座</p> <blockquote> <p>オーソドックスに考えれば、左手の動きに若干の労力が必要になるバレーコードB7をやるところだが、なぜかあいつはあえてBをはずす。Aの開放音を響かせたまま、D弦の指を7フレットまでスライドさせるだけだ。こうすると頭にこびりついて離れない音色が生まれる。</p> <p>嘘じゃない。これはできるかぎり怠けたまま商売になる唯一の方法であり、音楽史上有数の輝かしい発明だ。ジミー・リードはあれで三十年間、同じ曲を演奏してこられた。それで通用したんだ。あの<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%BB%CB%A1" target="_blank">技法</a>を教えてくれたのは、六〇年代に二曲ばかりヒットさせたボビー・ゴールズボロという白人だった。(略)</p> <p>こういう男たちの誰一人、ありきたりのコードを弾いてないってことだ。何かを足したり引いたり。ふつうのメジャーなんてまずない。組みあわせるんだ。切り刻み、におわせ、からみあわせ。“正しい”なんてものはない。(略)</p> <p>ふつうのコードを弾いたら、次は何か別のものを入れるべきだ。Aなら、ちょっとDをにおわせる。ちがった感じの曲のAにはGをにおわす。そこからセブンスになってと、演奏者を先へ導いていく。</p> </blockquote>
— <a href="http://d.hatena.ne.jp/kingfish/20111116" target="_blank">キース・リチャーズ自伝 - 本と奇妙な煙</a> (via <a href="http://kogumarecord.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">kogumarecord</a>)