釈迦は自分の教説のなかで輪廻を超越する唯一神(主催神、絶対神)の存在を認めなかった。その一方、経典のなかでは、従来は超越的な「神」(deva, 天部)としてインド民衆に崇拝されてきた存在が仏陀の教えに帰依する守護神として描かれている。その傾向は時代を経ると加速され、ヴェーダの宗教で「神」と呼ばれる多くの神々が護法善神として仏教神話の体系に組み込まれていった。また仏滅500年前後に大乗仏教が興隆すると、人々は超越的な神に似た観念を仏陀に投影するようにもなった。
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