<p>――若者に貨幣離れが起こっているのか。</p> <p>起こっている。かつては、やる気もあって、社会にもの申す若い人というのは、カネ儲けをして、成功しようというのが一般的だった。しかし、最近の気の利く若い人は、そこを回避している。</p> <p> 例えば最近、人事のコンサル会社の人と話す機会があった。<br/> その人は、「最近の若手社員は、おカネを稼いで、いい暮らしをするという発想がない。<br/> アメとムチでは動かない。動機が違う。彼らは平気で土日も会社に来ない」と言っていた。<br/> 実際、最近の若い人たちは、ボランティアに走る傾向もある。<br/> つまり、やる気はあって働くのだけど、自分の楽しみのために使わない。それは、若い人たちに言わせれば、会社でおカネ稼いでも、そのおカネで楽しみに使うのだったら意味がない、ということ。おカネを使わないと、自分の楽しみを実現できないというのは、ネット社会ではすでにヘタクソな生き方になっている。</p> <p> 若い人たちは、コストをかけずに、社会から楽しみを受けることができるというのを既に知っている。<br/> かつては、おカネがあったら、家にシアタールームを作り、いい音響で大画面でDVDを見放題というのが最高の贅沢だった。<br/> でも今やスマホでユーチューブを見たほうが、ソフトとして豊か。<br/> これはもう、おカネを使う価値が「上げ止まり」となっている証拠。</p> <p> 若い人はそこに気付いたので、叔父さん世代が叱咤激励して、「上を目指せ」「カネ稼げ」といっても、ピンと来ない。<br/> 本当に欲しいものは既に手に入れており、後は自分が社会に何ができるかという社会貢献の部分しか残っていない。</p>
— <a href="http://blog.freeex.jp/archives/51322180.html" target="_blank">「僕らは評価経済の高度成長期に入った」 週刊東洋経済インタビュー ノーカット版掲載! - 岡田斗司夫公式ブログ</a> (via <a href="http://katoyuu.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">katoyuu</a>)