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志乃ちゃんは自分の名前が言えない : アナゴさんの%表示マンガ感想


本作品の一番の見所は、実は「吃音症」でも「コミュニケーション」でもなく、
「人が抱えるコンプレックス」という「内面傾向に落ちる人間思考」の表現だと思う。

作品序盤、友達の加代ちゃんが、自分に話しかけるも上手く話せない志乃に対して、
「喋れないんなら紙に書けばいいじゃん」と、はっきり言うシーンがあるのですが、
実はこれが「コンプレックス」という題材のひとつの答えだと思っています。

自分が生きてきた中で思うのは、「コンプレックス」は自分の内面で悩んでいても
解決はしないし、かといって、すぐにそれを自分の力で治す事も難しいと思う。

ただ、それを「別の部分」で補ったり、そもそもそのコンプレックスというものを
「他の人が認めてくれる」のなら、それはもうコンプレックスではないのではないかと。

それを実行する為に必要なものは実は「勇気」ひとつだけであって、
その「勇気」を実行した大島志乃の叫ぶ本作品終盤場面が素晴らしい。